おはなし
両親が離婚し理解の無い母親のもと塞ぎ込んでぼっちとして生きている主人公。近くに越してきた同年代のぼっち少年と仲良くなるが、その子はHIV患者であった。主人公は特効薬を探し野草を煎じて飲ませたりするが失敗していた。
そんなある日ニューオーリンズで「エイズの特効薬が見つかった」というゴシップ雑誌を目にし、特効薬を求め二人で旅に出ることにする。
良い点
主人公が危機感から急速に大人になっていく過程は感動できる。序盤は家庭環境からグレた少年って感じだったのに、後半は相棒を思った結果大人な選択をする。
あそこまで自分の正しさを信じ必死で大人から逃げ続けてきたのに、それを捻じ曲げてまで相棒のことを思ったのであった。そんな大きな決断を直接見せないあたりはセンスのある演出。
あとは、二人のときはずっと子供のままで夢のある話とか子供っぽい話してるのに、いざ大人と対面したときには交渉役として全く違う表情をするあたり主人公の覚悟が感じられる。
微妙点
ただこの作品、期待していた以上に抗わない。
もっと病気に対し抗ったりするのかと思いきや、普通に少し旅をして合理的に諦めて助けを呼んで、病院でも邪魔しない程度に遊んで、感動的に死んでいく。
旅行中ももっと正直に大人に話せばスムーズに行けそうなのに突っぱねて、結局最後に旅そのものを終わらす選択をするのは優先順位を間違えている。あれだけ大人な主人公ならもっと考えられたのではないか。
相棒のことを思うからこそ目的地に行くために、一人頭を下げたり自己犠牲を払ってプライド捨ててまで行くのが良いんではないか。
なんか抵抗したり抗ったりしないのは子供らしくないし、そのくせ観ていて行動に疑問符が付くのは納得がいかない作品だった。ちぐはぐでのれない。死を発見するシーンとか最後靴のやつとか、ベタに感動的で良いけれども中盤が悪すぎる。
じゃあこのマイナス点を生んでいるのは何かというと、借りるきっかけになったツタヤのポップである。
ツタヤのポップによれば明らかにロードムービー。
もっとロードムービーどまんなか風に書いてあった。騙された。
旅は二人の交流の一要素に過ぎず、「出会いから衰弱、そして避けられない死」を共に歩んだ一代記なわけで、その宣伝に騙されたのであった。
『モーターサイクルダイアリーズ』ぐらいロードムービーかと思った。
まとめ
うーんベタな映画だなぁと思って面白くなかった。コテコテって感じ。
死ぬっていう結論ありきなジャンルなだけに、もっと抗ってほしかった。
採点 39点
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