こんにちは。平田アルカンタラです。
あらすじ
仕事を若手に取られクビになり、離婚と同時に離れた娘の結婚式に行って再婚した妻の幸せな家庭を目の当たりにし、出先のロンドンに一人ぼっちの主人公。いい年になっても独身で、さえない仕事と痴呆気味の母の介護のみが残り、婚活も失敗のヒロイン。こんな二人の運命の出会い系ラブストーリー
良い点
良い点を一言で言うと「童貞が観ることができるラブストーリー」
要所要所だめだめでそんなにかっこよくない人生を送る主人公がどん底で出会うんだけど、それがカフェで隣のテーブルに座って本を読んでる女。これって男ならだれでも憧れるシチュエーション。ここで特になにか偶発的な出来事が起る訳でもないのに、主人公がグイグイいって、相手もそれに微妙にのってきてギリ関係が進む。そんなあったらいいなぁを実現させてる点。良い。
でもこういうあったらいいなの理想を体現するだけじゃ少女漫画。ちがうのはやっぱり恰好良くない主人公と社会的に魅力的じゃないヒロイン。
まず主人公を演じるダスティンホフマンの身長は165cm。劇中ほぼヒールを履いているヒロインのエマ・トンプソンの身長は174cm。二人の仲が近づくのは基本べらべら話しながらの散歩シーン。なのでその身長差が如実に伝わる。私自身低身長なので、強烈な身長コンプを抱える身として大変この映画にあこがれています。
劇中ヒールを脱いで「こっちのほうがいいでしょ」ってヒロインから言うシーンも憧れる!!そういう身長差を改めて直視したうえで茶化しながら受け入れてくれる女性が最もいいわ。
あと基本の雑談は置いておいて、それ以外は勝負所で口数が足らない気がするこの主人公。ラストで相手がメンヘラ出して泣いていても特に声をかけず、メンヘラモードが過ぎ去ってから普通の話をして解決させてしまう。そんな男側が決定力を発揮しなくても成立する恋愛って最高じゃん。ダスティンホフマンだからカッコいいけど、これが普通のブスだったら微妙だと思う。だからこそこの映画は童貞が好むラブストーリーになりえてるんだよな。
ヒロインもそんなに誇れる仕事をせず、母は人生の障害物になってて、気にくわないとすぐ帰っちゃう。いい年独り身で小説家志してますってのも怪しい。もちろん人が悪いわけじゃないんだけど、なんか日の目を見なそうな性格をしている。最終的に恋愛に対してこじらせてメンヘラ発動するし、こいつ微妙だなっていうリアルさ。
そりゃカフェで出会ってそのまま進める相手ってそういう条件だよなと何か納得できるちょうどいいライン。この説得力サイコーです。
ヒロインの同僚のブスさと、主人公の娘の周辺(再婚の父も元妻も)のランクの差もこの映画の根幹を表していると思う。
まとめ
綺麗だけど綺麗じゃない恋愛だなぁと感じた。憧れられる夢見られるラインを上手についた作品。くっそ美人とパーフェクトイケメンのただただラブロマンスを観られない我々陰キャこじらせ童貞に贈る映画。
こじらせ続けていた私にとって、日常に希望が持てる90分でした。
採点 60点
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