こんにちは。平田アルカンタラです。
あらすじ
バスケと本が異様に好きな珍しい黒人の主人公ジャマール。ある日仲間とふざけて泥棒に入った家が、過去に一度小説を出版し絶大な評価を受けながらそれっきり消えた天才小説家のフォレスター宅だった。
人嫌いで引きこもっているフォレスターだったが、ジャマールの才能を認め直接指導を行っていく。
ジャマールとフォレスター。立場は大きく違えど双方にとって初めてできた本当の自分で育む友情。そんなおはなし。
良い点
小説という観客には良さが伝わりづらいもので繋がる白と黒、っていうのは見ごたえあった。
普通の人は人種差別も相まってジャマールを偏見で見ちゃうが、文才という一見分かりづらいもので気づき、二人がだんだん迫っていくところが最高だった。
その後年齢も肌も生き方も違うふたりが文章を書くという一つの作業で、心をかよわせていく過程。良いねぇ。
この映画の肝は、ショーンコネリー演じる天才小説家のフォレスターのキャラ造形。
文章を書けばだれもが認めるものを書けるのに、1作以降何十年も引きこもってる。ってキャラに説得力を持たせられたことはすごい。
いくら説明で「素晴らしい文章書けるよ」って言われても、文章の良しあしって人それぞれの感覚だし、まして日本人が字幕で見ても伝わりずらい。なんだけどこの映画だと、フォレスターはマジですごいんだろうなってなっちゃう。
理由としてはフォレスターの発言がかっこいいのと、黒人ジャマールの関わる人々がフォレスターの唯一の著作を崇めまくることでしょう。
「自分のために書いた文章は、他人のために書いた文章に勝る」「小説家にとって最も幸せななのは第一稿を読み返す時。それは評論家どもには一生出来ないことだから」とジャマールに小説家魂を伝えまくるところかっこいい。
微妙点
主人公二人の絡みは最高だと思う。しかしそれ以外の登場人物のパートが微妙だったなぁ。特に女との恋愛っぽいパート。
転向した先でいろいろ教えてくれる生徒と距離を詰めるんだけど、その親父さんがお偉いさん。黒人であるジャマールを毛嫌いするってやつ。
結局なんの効果を生まず、クライマックスの感動的展開でも何の役割も果たさず。意味あったのかなぁとは思いました。
まとめ
良かったことは良かった。すこしパンチの少ない映画だなとは思った。ストーリー展開がベタかなぁと感じています。「文才」という見えずらいものの映画への落とし込み方って点は最高だっただけに、もうちょっと面白くできたんではないかなという評価です。
ツタヤの端に平置きされていたことは納得できる完成度ではあった。
採点 76点
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