あらすじ
今回の敵は人工衛星を爆弾代わりに自由に落下させるマシンを奪った。CIA本部も襲われた今最後の希望は伝説のトリプルX、ザンダーゲイジ(一作目の主人公)。信頼できる仲間を連れて襲撃した結果、待っていたのは歴代トリプルXたち。アメリカの危機を数多く救ってきたトリプルXによる反乱であった。ザンダーゲイジはどうするの、そしてこの大計画の黒幕とは…
感想
何でもありでおなじみのシリーズ集大成
この間2夜連続でシリーズを鑑賞した。1作目はやりたいこと優先で破綻していて酷評、2作目は劣化ワイスピとしてぎりぎりの評価だった。正直この2作品だけでは見る価値の無いシリーズだった。得るものが無い、結局ワイスピ見たほうが良いだけの映画だった。
しかし今作によって状況は変わった。今作がゴールにあるならシリーズを観る価値がある!!そのぐらいシリーズに耐えた人にとって再起動はご褒美的に面白い。前2作について概要だけでも知っていた方がいい。じゃないとただの凡作になってしまう。
まず初作で人気のヴィンディーゼルは2作目に出演しなかった。それについて劇中死んだことになってたので、今作が発表された時「あぁシリーズで2作目は無かったことにして作るつもりか」と残念がってた。しかしそのヴィンが死んだ設定もしっかりイジった上で作品を進めてくれる。なのでヴィンがトリプルXなのは10年以上ぶりなのにスムーズに乗らしてくれた。
ぼくにとって今作一番の評価ポイントは2の主人公アイスキューブさんを最高においしい役どころで使ってくれたところ。2は興行的に大コケしたにもかかわらず完璧に生かしてくれた。登場シーンは必見です。劇場で拍手したくなっちゃって。正直言うと少し泣けるぐらい嬉しかった。「お前さんを待っていた!!」って。めっちゃカッコいい。この要素で本作の評価を改めたし、+30点は入った。
面白いキャラを入れまくり。結果入れすぎ。
映画全体で108分。それにしては面白そうなことが多すぎてギュウギュウです。面白そうな登場人物が多すぎる。
ドニーイェンとトニージャーが二人とも出ちゃう。この時点で贅沢。役割分担どうすんだろと思ったら、イェンは普通にキレキレアクション多い。ジャーは身体能力で飛んだり走ったりメインでアクションはほぼ無しでした。贅沢な使い方。良い意味でもったいない。もっと見たい。トニージャーは今まで見た中で最も似合わない恰好でした。なんやあのヘアスタイル。
メカニックのメガネっ子もキャラが濃い。オタク気質で一度話し出すと止まらないエネルギッシュさを持つ。これまでずっとオフィスワークで、初めて戦場に駆り出されどう動くのかって展開が一つ見所だった。その顔面も立ち振る舞いも全部がめっちゃかわいくてもっと見たい。
緑色の髪の凄腕男勝りスナイパーはもっとも当たりキャラ。登場シーンでまず惹きつける。サバンナでライオンを狙撃するのかと思いきや、そのライオンを遊びで狩る観光客の急所以外を狙撃してライオンを守る。独自の倫理観と強さが際立って惚れた。その後もずっと強いしカッコいいし、気になってググったらこの女優さん現実でレズビアンを公言してるらしい。劇中のレズ発言が本当とは。だからこそ醸し出される男性的エロス。かっこよかったなぁ。
そんなレズビアンの最も魅力的なシーンは、後半仲間になる元敵チームの女スパイとの共闘。中盤にレズビアン側から信頼を示して銃を渡すんだけど、それが元で後半のピンチを乗り切る。そしてそんな二人で行う『処刑人』スタイルの銃撃戦。ほんまかっこよい。濡れた。
これ以外に主人公サイドのカースタントマンとか若いDJとか居たけど、ほかにキャラが居すぎて埋もれていた。正直必要ないぐらいに。トニージャーですら埋もれてるほどぎゅうぎゅうな今作。しょうがない。
学んだこと
これ一作品で考えると、いろいろ入れすぎで緩急が無く後半は刺激におなか一杯だった。チームVSチームの共闘感とか、後半の飛行機内の戦闘とかでワイスピユーロミッション(シリーズで一番好き)を思い出したけど、あれは作戦前夜とかテンポが落ちてしっとりした場面があった。それって大事なことなんだな。だからこそクライマックスの飛行機とかがフルで楽しめる。今作は短いしずっと盛り上がってて結構早めに満腹でした。緩急は必要。
まとめ
トリプルXを我慢して観てきた結果の今作は最高かもしれない。1作目の評価を変えるつもりはないけど、今作があるならまぁ許せる。再起動を観るためにシリーズを観よう。
採点 71点
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