【ネタバレ感想】ウォーム・ボディーズ 彼女が居たら一緒に観たいナンバーワン

オススメできる

ゾンビ映画界で傑作とされている今作初鑑賞

おはなし

なぞの伝染病にゾンビが蔓延して8年。街には大きな壁が立ち人間とゾンビは完全に拒絶されていた。自我はあるもののゾンビとして生きている主人公。ある日外の世界へ物資を取りに行く任務についたヒロイン。そこで人間の心を微かに感じられる主人公ゾンビに助けられる。主人公ゾンビは恋をしてしまったのだ。ゾンビと人間の許されない恋。人間・ゾンビ両サイドに追われる二人はいかに…

感想

新感覚のゾンビ像

この映画のゾンビは心を持っていて自我はある。頑張れば一言ぐらいなら話せる。でも本能には逆らえず、空腹を満たすためどうしても人間を食べちゃう。そのときも「うわー申し訳ないな」っていう気持ちがあるぐらい人間味を少し持っている。

主人公はもともと他のゾンビよりも人間味を残しているのかもしれないが、序盤からゾンビとして生きているのにナレーションで人間として気持ちを語ってるのがまず面白い。そんな彼がヒロインと出会って行動としての人間らしさをだんだん取り戻していく様子が細かくてとても面白かった。

この映画のもっとも特徴的なのが「愛によって人間に近づけるゾンビ像」である。元々もってる微かな人間らしい心を反応させて愛を感じていけば、ゾンビから離れて人間に戻っていける、なんて感動的すぎる。その段階的な描写がしっかりしているので、同じようなゾンビであってもその違いを感じられる。

特に巧いなとおもったのが、ゾンビから人間に戻れているという自覚のキーを「夢をみることが出来るか」としたころ。ゾンビは寝られないので夢もみられない。なんだけど人間に一歩近づいたときにまずできることが睡眠と夢。普通もっと違った生存的なこと(食べ物の好みが変わる・攻撃性が減る)を第一歩にしそうだけど、夢にしたのがおしゃれで効果的だった。ゾンビの深層的な欲求を映像にするってのは、一気に物語を進ませたなーって感じました。

もっともキレイな終わりかた

ゾンビは上記の通り人間に戻れる可能性があるが、そうではないゾンビとして「ガイコツ」という存在を出してくる。攻撃力があって凶暴で真っ黒、人間的な心を持たない。こいつらがゾンビよりも上に立っていて、ゾンビもろとも人間に襲ってくる。

主人公やその仲間が人間に近づけたとしても、その他のゾンビが普通の害のあるゾンビでそいつらが襲ってくる。ってこの映画はしなかった。ガイコツという中身も外見も害のある奴を極端に表して、最終的に人間ゾンビ連合軍VSガイコツという構図に持っていった。

その結果最終的に悪い存在であるガイコツを全滅させ、ゾンビはもう悪ではないので共存可能な世界=元の平和な世界にまで持っていくことが出来た。ここまで平和的に完全に解決させて終わったゾンビ映画ってすごい

ゾンビ映画って基本バッドエンドか、ゾンビに対する特効薬や施設が出来て、ゾンビ(悪)が居ても制御して生活できるって形の平和で終わりがち。なのにこの映画はゾンビという存在もOKという新しいエンドに持って行った。これには感動しました。最後隔てていた大きな壁が壊されてエンドってなるのも完璧な終わり方。

まとめ

またもやゾンビ映画の傑作を観ましたが、これもうわさ通りの完成度でした。

ゾンビによってはっきりと愛を感じさせてくれる。これは彼女が出来たら一緒に観たいねぇ。

採点 82点

Bitly

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