あらすじ
ホームセンター勤務の主人公マッコール(デンゼル・ワシントン)は几帳面で心優しい普通の男。ある日ロシアマフィアが囲う売春婦テリーと出会う。マフィアはテリーを手荒に扱い、ついには乱暴し入院することに。それを知ったマッコールは正義感でアジトに乗り込み19秒で5人を抹殺する。彼は元CIAトップの殺し屋だったのだ。マフィアも犯人を探しマッコールにたどり着く。マフィア対マッコールの全面戦争はどうなるのか…
感想
雪崩式にスケールがデカくなる正義感のゆくえ
あなたがもし世界最強の力を持ったとして、それを使わずに平凡な生活を選べるか。主人公のマッコールはホームセンター店員としてしっかり働き、仲間ともいい関係を築く。普通だけど良い人生だ。でも日々起きている悪事に対して見過ごせない。善良な人が虐げられているのを無視できない。
ただの正義感の持ち主じゃなくて、自分が動けば解決する力を持っているからだ。動かなければ確実な解決のチャンスを逃すことになる。一つ世の中を悪くしたのも同義だ。これを見過ごせないのが主人公マッコールなのだ。
世界の末端の悪事に正義感をはたらかしたマッコールは、どんどん大きな悪事に巻き込まれる。この映画の面白いとこで、どんなに巨大な悪でもマッコール一人で倒せちゃう。ピンチも狙い通りに行かないこともない。最終的には世界を牛耳るマフィア組織を壊滅に追い込む。スタートは一人の売春婦を救おうとしただけなのに。ここに動機の違いはない。ずっと同じ正義感だけ。これが面白い。
普通の生活が出来ない主人公
主人公は異様に几帳面で物を揃えるのはもちろん、ストップウォッチで時間を異様に気にして、ドアを何度もチェックする。日常生活に支障をきたし、睡眠障害になっている。それもこれも上記の「あなたがもし世界最強の力を持ったとして、それを使わずに平凡な生活を選べるか」ということだ。最強の力を持っているがために、それ以外の生き方を正義感で選べない。力を使うことが自分の出来る一番の他者貢献だから。一番の存在意義だから。
序盤は頑張って普通の生活をしようとする主人公像があるからこそ、力を使う選択に重みがある。そして一度使ったらあそこまで突っ走るから面白い。どこまで行くのか予想が出来ず、全体に推進力がある作品でした。
まとめ
格闘シーンのすべてを把握して、あるものを最大限生かす描写も面白かった。最強すぎる男の苦悩の話でもあって、長さを感じなかった。
採点 65点
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