こんにちは。平田アルカンタラです。
あらすじ
大学銃乱射事件によって亡くなった息子。主人公はその日を境に生活が崩壊する。2年後遺品整理によって音楽好きな息子が作った曲が出てくる。それを聴き、自分が代わりに歌い始めることから話は動き出す。そんな曲にほれ込んだのは、亡くなった息子と同世代のクエンティン。その後クエンティンも含めた4人で歌い始め、ファンも続々と増えていき、バンドは順風満帆に思えたが…
感想
良い点
音楽映画なのでその音楽自体に力が無いと台無しになってしまうが、しっかりと惹きつけられる。 その背景ももちろんだが、なによりも「歌っているときの表情」「聴いているときの表情」が素晴らしい。父親として、一人の人間として、音楽好きとして、さまざまな立ち位置を背負ってなお音楽に対しての喜びがにじみ出てしまう主人公の表情。もうね掛け値抜きで論理とか置いといて心に響くわ。
特にクエンティンが船に来て初めて息子の曲をギターで弾いたときの、普段の表情から少しづつ変わっていって1ミリだけ喜びが表に出てきている感じ。そしてその後初めてバンドとしてステージで披露したとき。常に音楽を奏でることへの一音楽人としての喜びと、演奏しているクエンティンを見ての父としての喜びが、抑えきれずにほんの少しだけ出ている感じ。もう想像するだけで心が震える。
そしてこの映画はネタバレ厳禁な映画である。驚かされた。中盤の墓石のシーンで訳が分からなくて一時停止したもの。なので多くは語れない。後半の後半の畳み掛けは素晴らしいし、結末を迎えてその後主人公はどうなってしまうのか考えてしまう余韻が残る映画。
微妙な点
普通の感動映画を期待していた人には違うかも。僕は良かった。 あとはネタバレとかいろいろ読まずに観るのが吉。
まとめ
音楽という最大のパワーに引っ張られながらも、考えさせられる傑作。数少ない登場人物だが、それぞれ全く違った立場であり、何が正しかったのか。はたして彼の行動は侮蔑される行為であったのだろうか。
採点 83点
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