こんにちは。平田アルカンタラです。
ファンの多いウェスアンダーソンの有名作。私自身としては『ダージリン急行』『グランドブタペストホテル』以来3作目。そしてここまで観た2作とも好きじゃない。
あらすじ
小さな島でボーイスカウトに所属する12歳の主人公。そしてその島で弁護士夫妻の名家の娘ながら不良少女の烙印を押され生き辛さを感じる12歳のヒロイン。この二人が運命の出会いから1年文通をしとうとう駆け落ちに出る。島の大人を巻き込んだ大騒動に発展するが…
良い点
みんなだいすきなウェスアンダーソンらしさ溢れる画。静止画として楽しめるものが90分続くところはさすがの一言。また部屋やボーイスカウトの小物も含めたデザインが可愛らしいのも人気の秘訣。主人公夫妻の顔面すら愛くるしい。
島の住人は閉鎖空間にさいなまれた結果どこか歯車が狂っている。同じような毎日を繰り返すと何か変化を求めて歪みが生じちゃう。そんな日常が変わるきっかけを主人公が起こし、周囲が巻き込まれていくにつれて、だんだんボタンのかけ違いが解消されていく描写は良い。
こういう逃避行ものは最後悲しいイメージがあって、劇中可愛いなぁと感情が持って行かれるたび結末を案じたが、良い幸せな終わり方するから良いよ。最後父親と同じ制服着てるとこはキュンキュンきたね。雰囲気通りの映画。まぁ話の意外性で楽しむ映画じゃないから、ネタバレとかじゃないよ。
悪い点
ある程度登場人物と建物と小物見ちゃうと、中盤以降面白いかと聞かれるとと微妙になるのは悪い点。話が面白いわけじゃないし、中盤の雷打たれるシーン以降、なんか何でもアリだから別にいいやと一歩引いちゃったのは事実。とはいうものの、これは絵本を実写化したかのような映画だからそんなとこで引くのはお門違いってのも分かってはいます。
個人的にウェスアンダーソン映画は、絵本シリーズの『バムとケロ』のようなもんだと思ってる。こっちは話も好きだけどそれ以上に背景が面白い。本筋関係ない所で別の巻から続くキャラクターの話がちょっと行われていたり、小物が面白かったり、「あのキャラクターがこれ買ってるよ!!」みたいな楽しみもある。この人の映画もそんな感じで楽しめばいいんだろうなぁ。
まとめ
ここまで3作品しか観てないけど、ウェスアンダーソン作品のなかで最も好きです。かわいいがここまで徹底されたら、それはそれで1本の良さになるんだなと思い知らされた。
採点 61点
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