2025年8月26日 池袋シネマロサ
あらすじ
南アジアの孤島で、CIAエージェント救出を目指す米軍特殊部隊デルタフォース。若手JTAC(統合末端攻撃統制官)のキニー軍曹(リアム・ヘムズワース)は、予期せぬ襲撃で仲間を失い、遭難状態に。彼を救えるのは、遠隔操作で無人戦闘機を操るベテラン排撃オペレーター、グリム大尉(ラッセル・クロウ)だけ。通信も武器も限られた状態で始まる、史上最悪の48時間脱出劇。軍事リアリティに根ざした極限アクション。
感想
小規模作戦失敗ローンサバイバーパターンの内容ですが、常に無人戦闘機が主人公に着いて周り、上空からの視点があるなかで戦闘が行われる。
敵が突然の現れて戦闘っていうホラー的なドキドキ感は無いんだけど、東西南北何100mに敵ありって報告がすぐ入って、じりじり敵が近づいてくる驚かしじゃないドキドキ感に見入っちゃう。
主人公は戦闘機に標的座標や攻撃依頼を行うJTAC(統合末端攻撃統制官)と呼ばれる役割。なので一人になってしまってからも、どこに何を撃ち込むのか常に依頼をかけて、一人とは思えない大規模な戦闘を繰り広げる。
一人の歩兵とは思えない視野と大規模な攻撃を行うところに、戦争の現実が変わっていて、戦争映画も現実に応じて変わっているんだと実感させられる。
そういう意味でとっても楽しめた。戦場映画って戦闘シーンをどう差別化するかってところが大事だけど、今作は無人戦闘機&オペレーターのラッセルクロウと二人三脚で進んでいくところに、バディ映画として十分な出来栄え。
バディもので欲しい二人のやり取りもしっかり。周囲に敵が居ないと分かってるという保証付きで、通信を通じて軽快に行われる。その上で、ラッセルクロウの助手との司令室内の会話から、真剣に主人公の命を考えていることも分かってなおよし。
二人のやり取り以外も良質な展開多し
映画が始まってすぐ作戦開始なんだけど、部隊の他3人も最小限のやり取りでキャラが立っていた。
特に隊長ね。これ観た人は全員惚れちゃうかっこよさ。中盤で助けに来てくれたときの神々しさたるや。強いし、最期まで取り乱さず落ち着いていて。もうね、あのシーンでは「たいちょ〜〜!!!」って叫んじゃいます。
オペレーターサポートの女性も過不足ない掛け合いと、信頼できる仕事への姿勢で大好きだ。
こういう映画でどこまでの人を描くかって難しいと思うんだけど、今作はそこのバランスもよし。
主人公は戦場、オペレーターはブースを出れば日常
後半、任務が長時間に渡ったため、上官から勤務交代を言い渡される。現場では戦っていると抵抗するが、渋々交代する。
交代後に大ピンチに陥る主人公だが、一方その頃ラッセルクロウはスーパーで買い物をしている。
これまで現場に司令室から連絡していたのとは対照的に、スーパーでこの商品で正しいのか妻に電話で確認。自分が小売店の現場で司令官の指示を元に動く様子は、悪い意味で脱力させる。
この展開いるか?と思いつつも、どれだけ機器が発達しても戦場とオペレーターの物理的距離の遠さを表していて、あってもいい展開だと好意的に判断。
とはいえ、他の司令室メンバーはバスケ観戦に勤しみ主人公やラッセルクロウの電話を無視。この展開が長すぎて、クライマックスへの助走とはいえやり過ぎです。映画の雰囲気を壊してるわ。主人公がピンチになってからのスーパーの買い物シーンの差し込みが多すぎる。スーパーのシーンは半分だけにして、前半の半分は無くて欲しい。
まとめ
良作です。もう少し話題なっても良いぐらいには。ローンサバイバー的なのが好きな人は見て損なし。
採点 75点
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