こんにちは。平田アルカンタラです。
あらすじ
炭鉱の町で生まれ育った主人公。炭鉱夫として現場を仕切り信頼を置かれている厳格な父と優しい母に育てられ、運動は苦手だがいたって普通の高校生である。
57年10月、ソ連が初の宇宙衛星スプートニクの打ち上げに成功し街は大騒ぎ。主人公たちも夕方空を見上げ、遠くの空にその姿を確認した。
そのロマンに魅せられた主人公は、その日以降ロケットに夢中に。開催が迫ったサイエンスコンテストで優勝という目標も掲げ、町を巻き込んだロケット研究がスタートした。
感想
だんだん重みが増すロケット
始めは主人公の好奇心のみで飛んでいたロケットが、物語が進むにつれて変わってくる。閉塞感あふれた炭鉱の町の様々な希望を乗せ、この映画自体のパワーもグングン増していく。
- 主人公→人生を切り開く使者の役割
- 友情で付き合ってた仲間→それぞれの目標
- 担任→自分の教員人生の意味
- 炭鉱の技術担当→炭鉱だけでない世の中への貢献
- 母→炭鉱だけに生きてきた町以外の選択肢
- 街の人間→炭鉱に対する閉塞感を打ち破る希望
- 陰キャ→アメフト脳筋に一泡吹かしてほしい
ただのロケット実験だったのに、映画後半ではそれが違って見えてくる。それぞれの将来や人生の意味が乗っているように見えてくる。素晴らしいおはなし。
父と息子の共通性
父は炭鉱に人生を懸けてきた。現場のトップを張って会社との間で鉱山を、町を守ってきた。それが絶対に正しいことだったし、いくら時代が変わろうが正しさが揺らぐことは無い。そんな正しい生き方をしてきたからこそ、父親はぱっとしない息子に炭鉱の道を押し付けようとする。
そんな間違っていない父に対して、鉱山とロケットが一見違う道だとしても目指す方向は同じなんだと説く主人公。父の生き方を認めて理解して上で、たとえ別の道でも同じであって、あなたを目指しているんだと。
中盤で一度主人公が炭鉱夫として勤務する展開があるからこそ、この発言が許される。そして最後の王道だけど感動的な展開。いいですね。父親が決して間違ってない立派な人間だからこそのカタルシスですね。
まとめ
王道な少年青春サクセスストーリー。良いですね。名作として名高い理由が分かりました。若いジェイクギレンホールは悪意が全くにじみ出てなくて愛くるしい。
採点 87点
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