【ネタバレ感想】アメリカンサイコ サイコを用いて別のサイコ際立たせる映画

まぁ…まぁね

こんにちは。平田アルカンタラです。

おはなし

ニューヨークのウォール街勤務の主人公は、いわゆる上流階級の暮らしをし公私ともに満ち足りた生活をしている。しかしどこか満たされない。その空虚さを埋めるのが衝動的に行う「殺人」が彼の生活を支えていた。

そんなある日主人公の完全上位互換とも言うべきライバルが現れる。どこをとっても自分より上。そこで彼が取る行動といえば殺人。止められない行為としての「殺人」とそれを取り巻く周囲。どうなるのか…

良い点

徹底的にサイコな主人公を描いてたのに、最後の最後で「社会の方がもっとサイコやん!!」って持って行き方は上手。

主人公の殺人鬼描写がぶっとび過ぎて、終盤の逃走劇は「あぁ全部ウソね。妄想のなかでの行為で拗らせてるんだね。」って思ってたのに現実とは。

もうここまで来るとこの映画はコメディでした。サスペンスとかそういう真面目なテンションで観るものじゃなかった。

考えてみれば食事した店のマウンティング、名刺のマウンティング、スーツのマウンティングと笑っちゃうほど滑稽に演出してたのもうなずける。特に名刺一枚であれだけ顔色変わるクリスチャンベールは受け狙いとしか思えない過剰さ。

そこがこの映画の風刺の対象だったわけで。そういうくだらない最上の追求とか凝り固まった自己愛の結果、自分以外まったく興味が無い、食事した人間の顔も名前もわからないそんなアメリカ社会。それをサイコパスを比較対象で浮き彫りにさせた。

主人公は殺人鬼だけど、異常に他人へ意識が向いているということでもある。周囲の人間に比べたらまだまともなんじゃないかとも取れるのは面白い。殺人鬼なのに。

まとめ

なんで完璧主義者なのに殺人が雑なんだよって不満だったけど、最後まで見るとそれでも逮捕されないっていうのがミソな映画で納得。

社会風刺コメディとして観ましょう。

採点 52点

Bitly

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