【ネタバレ感想】ONCE ダブリンの街角で 足さず引かずそのままの良さ

オススメできる

こんにちは。平田アルカンタラです。

『はじまりのうた』『シングストリート』の監督のやつです。前者は目黒シネマで観て、一緒に観た友人の生涯ベスト級の完成度。

あらすじ

アイルランドの首都ダブリンにて、路上ミュージシャンの男の音楽に聞きほれたチェコから移住してきた女。

前者は彼女が駆け落ちしてロンドンに逃げていって、後者は子連れで夫はチェコで別居。

そんなどこか人生に閉塞感を抱えた二人が音楽で出会い、音楽を純粋に楽しみながら紡いでいく。

感想

「何も足さない、何もひかない、音楽の良さをそのまま打ち出す」という良さ

この映画のカメラはそんなに動き回らず、二人をそのままじっと映す。定点ってわけじゃないけど、撮影で何か味付けしようとは全くしない。演出でもそう。何か追加の効果がある演出は本当に少ない。

それで何をこの映画が映してるかというと、「音楽という文化の歓び」

音楽によって不純な動機無しに出会い、音楽によって心を近づけ、音楽によってそれぞれの置かれた境遇を忘れて人生を楽しむ。

一歩引いてドキュメンタリーっぽく群衆と共に映したり、カメラを動かさずに音楽中の二人に観客を集中させたり、二人の奏でる音楽以外を劇中ほとんど使わなかったり、いろいろ足さずに音楽の歓びをそのまま伝えてきてくれる。

一番いいのはそれぞれの顔!!音楽してるときの顔が楽しそうなんだよ。いろいろな煩悩から解き放たれた最上の顔してるわ。観てると楽しそうで、うらやましくなっちゃうよ。カメラも顔をじーと余すことなく撮ってくれるし。

『はじまりのうた』では知ってる俳優陣だったけど、今回は日本では馴染みない人な分、なおさら実在感が強くて映画をより効果的にしてる。

良い音楽映画は「音楽の歓び」が伝わってくる。その点この映画は満点です。すばらしい。音楽映画ってこの一点のためにあるようなもの。完全主観かもしれませんが、僕は好きです。

ラストの着地点がとっても良くて、鑑賞後感きもちいい。これ書きながらもきもちいいです。

 まとめ

『はじまりのうた』より好きです。『シングストリート』を観るタイミング逃しているので楽しみに観ようと思います。


いやーこれ良かったなぁ。楽しそうだった。思い出すとニヤニヤしちゃう。俺も音楽やってればよかったなぁ。

採点87点

Bitly

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