こんにちは。平田アルカンタラです。
事前情報無しツタヤでジャケ借りシリーズ。
あらすじ
主人公は記憶も薄れてきた意地っ張り爺さん。息子はそんな父を心配し介護ロボットを送りつけ、ジジィとロボットの二人暮しが始まる。始めはロボットを毛嫌いするが、ある日ロボットはジジィの真似をして万引きしてしまう。しかしロボットは罪悪感を感じず、ジジィはその能力に惚れ、盗みの技術を教えていく。ジジィはプロの泥棒だったのだ。そしてロボットを相棒にした窃盗計画が動き出す。
良い点
ロボットの一貫した考え方とそれを利用する経験豊富プロ泥棒コンビ。ロボットは健康管理その一点のみを課題にしてるため、”やる気が出て健康になれる”といわれると健気にピッキングの練習をし窃盗計画を熱心に練る。それまで特にやる気なく本を読み続けてたジジィも、そんな健気なロボットをまるで息子を見るかのごとく暖かく見つめる。そんな本当の意味での異文化コミュニケーションが進んでいく感じ良い。
あと「記憶」を巡る部分。ジジィは記憶がだんだん曖昧になっているが自覚症状は無く健康だと言い張っている。しかし日々確実に進行しているようにみえる。ロボットは対照的に全て記憶しているが、後半「犯行記録が俺の記憶メモリに残っているから消せ」とジジィに自ら要求する。
そこでしばらく消すのをためらう。あとメモリ消すだけで完全犯罪なのに、嫌がって警察から逃走したりする。 ロボットが介護以上の友人関係になっているからこそ、その存在を記憶を無くしたくないという思いが表層にある。さらに記憶に対する欲求をよく表していて、そんなジジィの記憶が無くなっていってんだよなぁと切なくなる。
また最終的に、記憶がないのか確信犯的に覚えているのか生粋のプロの泥棒なのか、決着がつかないENDも良かったね。個人的にはプロとしてだまし切ってるっていう解釈が好き。泥棒のプライドが感じられる気がして。
微妙点
ストーリー全体の盛り上がりと90分のバランスが合ってない気がした。悪く言えば平坦だし、90分引っ張るだけの力が無い作品でもあった。キャラ分配と設定と着地点は良くてもシンプルに面白くない。言い方変えるなら、人物相関図とストーリーラインは良いのに、それ以上映画的に面白くはないという感じ。
これは観た人に聞きたいけど、ラスト記憶が無いような感じで施設に入っていて、他の入所者にあのロボットがあてがわれてるけど、主人公にはその描写が無かった点どう思います?
僕個人としては主人公の元にも派遣されて、主人公が少し違和感を覚えて「君以前会ったかね?」とか聞いて「いいえ、今日が初仕事です」的な感じの様子欲しかったと思うんですけど。で、ラスト家族とお別れしてメモ渡すシーンとか一緒に居るべきだし。本編のどこかでロボットのボディに何か目印入れて、お互い記憶はないけどその目印映るとか。なんか必要だと思いました。
記憶が無くても素敵な相棒である描写がぜったいあったほうがいいなと。
まとめ
こいつ良い点これだけ書いててこの評価ってどういうことと思われるかもしれないが、正直なとここんな感じ。観終わって思い出すと箇条書きで良さが出てくるけど、90分で考えると面白くは無かった。
採点 52点
コメント