2025年8月19日 伊勢進富座
あらすじ
1950年代のメキシコシティで、つまらない日常を酒と薬でやり過ごしていた駐在員リー(ダニエル・クレイグ)は、ある夜バーで出会った美しくミステリアスな青年ユージーン(ドリュー・スターキー)に心を奪われる。衝動に駆られたリーは、孤独と渇望の狭間でユージーンを幻想的な南米への旅に誘うが、満たされぬ感情と孤独だけが募っていく──。痛切な欲望と繊細な情感を描く、大人のための官能的なラブストーリー。
感想
いろいろ置いといて、これはなに?
同性愛を描いた映画で、生々しい描写が多い。けどそんなこと何にも思わないぐらい、虚無な映画です。
じじぃ主人公のリーは、メキシコに暮らしている米国人。ある日たまたま街で見かけたアラートンに一目惚れ。その後は人目を憚らず猛プッシュ。
この映画、丁寧に章立てされていて、わざわざ章ごとにタイトルまで教えてくれる。第1章は出会いからトリップデートを漕ぎ着けるところまで。
そんな第1章は、まだ観れました。精神的な童貞かよって突っ込みたくなるほどアラートンしか目に入らない主人公。他の人と話していると嫉妬しているし、少しでも予定が合わないと不機嫌になる。全くかっこよくない。アラートン相手だと余裕がゼロで、こりゃあモテないよって。
でも童貞だった僕たちは確実に経験がある。恋は盲目なんて優しい表現じゃ無く、好きな子を想いすぎてそれ以外が全て崩れてしまう感じ。いくら本命の前だけ正常を装っても、毛穴から動物的な弱さが出ちゃっていて魅力的じゃないのよね。
絶対に狙っている人とうまくいかない病理にハマってしまっている状態を、ダニエルクレイグが同性愛とメキシコシティを舞台に生々しく演じてくれる。そんな第1章はまだラブロマンスとして観れました。
第2章以降は空気しか入ってません
第3章から南米へのヤク草追求のトリップデートに進んでいきます。目的地までの道中から週2回の身体接触を求めますが、そういったところも1対1の関係において負けですよね。
そうこうしているうちに第3章のヤク草のメッカである密林にたどり着いて、ヤクを決めていくんですが、描写が全部ヤク中。
ヤク中描写って夢オチぐらいずるいんですよね。だから長々とやるのはダメだと思うんです。基本的に頭ごなしに否定派です。だって何でもありで、その間話進まないんだもん。今回は心臓が飛び出たり、2人が同化したり。主人公のリーの求める気持ちとか、そう言うものを表現している感じかもしれないけど、楽しめませんでした。きったない。
第1章で示した上手くいかなさをずっと続けて、最後はヤク中描写でエンド。これ140分やる必要ある? ずっと愉しくないです。
まとめ
ど真ん中娯楽映画じゃないと分かってて観に行ってるので、こんな文句言うのは当たり屋と一緒ですが、映画を確実に観てこう思ってしまったのだから仕方がない。
今の正直な気持ちを残したい。シネフィルじゃない映画弱者にはつまらない映画でした。
採点 10点
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