【ネタバレ感想】他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え

人生論

ずっと読みたい本リストに入っていたんだけど、Amazonセールで少し安くなっていたのでとうとう購入。

期待通りの内容だったのでご紹介。

タイトル:他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え
出版社 ‏ : ‎ 鉄人社 (2021/12/14)
発売日 ‏ : ‎ 2021/12/14

感想

となりの席のうるさいオヤジも今日まで生きてきた

この本は、過去一標高の低い人生論を教えてくれる。

ライターは、居酒屋で飲んでいる見ず知らずのオヤジに「過去の自分に教えてやりたい人生の真実とは?」と聞いて回る。酔いも回っているし、ライターとはその日限りの関係だからか、社会性のしがらみを取っ払った答えが出てくる。地に足のついたガチ回答。

中には「何十年もかけてたどり着いた結論がそれかいっ!」ってものもあるんだけど、それも含めて、その人がこれまで血肉にしてきた歳月から抽出されたものだから、むげに否定したくない気持ちになってくる。

回答者のオヤジの年齢や職業も様々。今置かれている社会的ステータスも様々。だけど記された言葉の重みは全員カンスト。内容の違いはあれど、やっぱり言葉の背景含めて嘘がないからかな。

今の到達点の標高はまちまちでも、それぞれのオヤジの提言と自分の今がどこかでつながっているような感覚になる。これからの日常の分岐しだいでは誰かにたどり着くような。そう思うと、オヤジのひねり出した言葉に耳を傾ける手が止まらない。

数十年の長旅の末 良いこと言うのよね

紆余曲折オヤジは核心ついた良いことを言います。そしてオヤジは例外なく何十年も旅をしているので、みな紆余曲折オヤジです。

1ページに一人のオヤジが出てきます。その1ページの上1/3はページごとのタイトルなので、オヤジ一人につき2/3ページしかありません。実際に話したら長くて聞いてられないだろうけど、ここまで凝縮されていると人生の本質だけ教えてくれます。

私が良い観点だなぁと思ったのは
・行動する予定と同じ時間帯に決意せよ
・やらない後悔はすぐに忘れる
・歴史的に庶民の生活が明るかったときのほうが少ない
・10分の喜びのために1時間かけるような生活が充実感を生む
・勉強が必要なのは学歴コンプを持たずに済むため
・誘惑に負けそうなときは「時間を戻したい!」と言っている1時間後の自分を想像する
・巨乳はすぐに飽きる
・女性を口説くときは自分の母ちゃんに語りかけるつもりで

どれもね、お題目だけみたらどこかで聞いたことのありそうなことなんだけど、ありのままの人生を赤裸々に聞いちゃったら確かになぁって。だってその人のこれまでにとっては確かにそうだったんだから。しかもみんなの話を聞くと、一般人の日々なんてそんな違わないなって。

人生なんてみんな大筋は似ていて、枝葉の部分・選択肢の細部だけ違った結果、吐き出される人生の真実は少し違うだけ。どれも本当だなって思わされます。だから面白い。

本当に気を付けたい共通点

いろんなオヤジが言っていて、私も重度の中毒者だからどうにか直したいなって思ったのが「人に気を使いすぎるな。他人のために選択を曲げるな」ってこと。

いっぱいのオヤジが後悔しています。もっと自由に生きればよかったと。「そしたら違う人生が待っていたのかなぁ」って妄想に囚われながら酒をあおってます。

本当にそうだよね。子供がうまれてからより自分の裁量権のある時間が減ってきて、これまで通り周囲の人間の要求に応えているともう時間がゼロで。本当につらい。昔からその傾向が強いから”アドラー心理学”とか”ミニマリズム”とかに傾倒して、どうにかしようとしてきたんだけど変わらないのよね。

もう自分の人生の自由枠が少なくなっているから、他の人に奪われている場合じゃないんだけどね。しかもそれで自分か崩れたら一緒に崩壊する妻と子供がいるからね。重大な話なんだけどね。弱い自分を切れなくてね。

オヤジの話を聞いて身につまされました。自己啓発本じゃなくて、オヤジの人生を踏まえるとね。

まとめ

オヤジの会話が浮かび上がってる完全な口語体なのに、まとめ方がうまくて短くてサクサク読めます。

これ500円はバカ安(元値も800円ぐらい)なので、酔いどれオヤジの真言に耳を傾けてみては?

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