こんにちは。平田アルカンタラです。
映画を観始めたころに、初めて満点を付けた思い出の作品。しばらくの間最も好きな映画だった。
あらすじ
ロックに打ち込み年を取った結果何も残らず、いまではロック仲間の家に居候している主人公。その仲間は学校の先生として働いてるのに主人公は何の目標もない日々を過ごしている。そんなある日、その友人宛に臨時教師採用連絡が来る。それを隠れて受け取った主人公は友人になりきって教壇に立ち、唯一教えられることであるロックの授業をするのであった…
良い点
最大量のカタルシス映画である点
主人公は酷い状況のまま(嘘ついて教師)生徒にロックを教えるんだけど、序盤から生徒は目を輝かせてロックに乗ってくる。まずその様子がもうカタルシス。状況は酷いし、やってることも進学校で5教科無くしてロックっておかしいのに、真面目なはずの子供がグイグイ乗ってくる。この演技が素晴らしいのか映像で見るともう盛り上がってくる。
同僚の先生とかにニセモノだって気づかれそうなもんなのに、全く障害にならない。主人公の口が上手いってのもあるけど、それにしても主人公は円滑に学校内に居場所を作る。ニセモノ底辺主人公のギャグで先生方が良い雰囲気になってる様子だけでもうカタルシス。
そして最も邪魔しそうな、採用した進学校の校長の存在もこの映画の特徴。長い間主人公を信じ続け、怪しんでもすぐ主人公の策にはまって。それでいて実は隠れてロックが大好きという、主人公に追い風の要素も加わって本当に愛くるしいキャラクター。これもほぼ障害になってない。
こんなにすんなり行き続けるお話で乗っていけるのか、って疑問になるけどそれを解決するのが主人公を演じるジャックブラックの存在。この人の特異性によって成り立つ。
いうなればジャックブラックって存在自体が現実感無い。真面目じゃないっていうか、一般人じゃないというか、実在感がないというか。
この人が主役で演じてるだけでこっちとしてはコメディと捉えちゃう。特にこの映画では主人公ジャックブラックがぶっ飛んだ演技をして、人間としてまともに生活できないのにロックだけには狂ってる狂人としか思えない役になってる。
そんな現実感が無いぶっ飛んだ演技をしてふざけてる主人公が、その熱いロック魂を振りかざすとすべてうまくいく。そんなありえない展開全部にカタルシスが生まれる映画。
そういう効果を生んだ演出と、そこまでのキャラを実在化したジャックブラックの功績ですね。
微妙点
この映画を初めて見て大好きになったのがそうとう昔だからなんだろうけど、今観ると音楽的部分で引っ張られない。
ロックという媒体に対する教師の熱と、それに呼応する生徒。という構図はすばらしいんだけど、演奏シーンが前見たときより微妙に感じた。曲も良くないなって。前見たときはエンドロールの演奏に拍手しっぱなしだった記憶あるのに。
シングストリートの音楽に比べると、劇中音楽に気持ちが持ち上げられないなぁ。
『少年メリケンサック』を観たときと同じ気分。登場人物には感情移入するけど、そいつのやってるパンクが魅力的じゃないっていうね。
まとめ
出ているみなさん大好きなのに、以前より感覚的にパワーダウンしちゃったなぁ。
採点 79点
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