あらすじ
主人公は仕事終わり、とある目的地に向かって車を運転する。車内では仕事仲間や家族と電話をしている。やってることは終始それだけ。
感想
まず一言…..好き
映画って全く自分と関係ない人生の一部分をじっくり味わえる良さがある。
この映画は、そこらへんで走ってる車の中だけで起こる会話劇だけを見せて、主人公の「人柄・歩み・重圧…etc すなわち人生」を見せてくれる。映画以外の形じゃなかなか作れない作品だろう。そういう意味では映画の面白み満点の良作としか言いようがない。
主人公は正真正銘の真人間。人間としてプロフェッショナル。仕事ではイギリス最高の工事現場監督だと言われ、主人公が居ないとヨーロッパ最大の工事が出来ないほど必要とされている。父親としても息子二人と主人公を愛する妻とみんなでユニフォームを着てサッカー観戦するほど理想的な家庭を築いている。
そんな人としてプロフェッショナルな主人公が、1つのミスとその対応をどうするのか。86分顔とドライブと電話だけでどこまで揺さぶってくれるのか。
パーフェクトな人間が傷口を大きくしないよう冷静に対応してるのに、どうにもならない状況。そこで出てくるもう一人の自分。完璧冷静沈着なのに、抑えきれない衝動。人間味も伝わり、主人公と感情を同期しちゃって入り込んじゃった。
観てない人は是非観ていただけると楽しめます。
私個人的には
最近社会人になって自分が仕事をテキパキこなせない側の人間だと思い知らされることが多いため、主人公がこんな状況でもかっこよく立ち振る舞う「プロフェッショナル仕事の流儀〜失敗からの対応〜」って観点で勉強になりました。
私は電話も多い職種なので常に電話が怖いですが、この映画でも電話がムカつくほど鳴って取ってそれを華麗に捌くので、追い込まれてる姿ながら憧れます。
あとは父親像。主人公の中に、絶対になりたくない男としての父親像があります。私も同様に父親みたいな人間になりたくない、父親のように家族を苦しめたくない、との思いのもと人生の行き先を決めている面があるので、終始浮かび上がる葛藤をみて共感が溢れました。
まとめ
観てない暇な人は、観ても損しないと思われます。結構良作。スケールは小さいけど、等身大の人生をそばで味わえる面白さ。あります。
採点 82点
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