こんにちは。平田アルカンタラです。
感想
劇場でやってるときも観たかったのに近くでやってなくて、結局DVDで観ることになりました。
ネタバレを一言で言うなら「極端に異様な存在である男を本当の意味で受け入れたことで、理想の人生と現実の差をも受け入れられた」という映画。
異様!!異様すぎる。変なおじさんがおじさんの元に転がり込む。というか住まわせてあげる。庇護したあげなくちゃという使命感に駆られるぐらい完璧な変なおじさんっぷり。
このおじさんっぷりがこの映画にとって最も大事なことで、これが微妙だと映画全体の展開に重みが出ない。本当に異様で、様々な感情すら持たないように話しは進んでいく。
唯一自発的に動くのは、なぜかヤギに対してのみ駆け寄って家族のように寄り添う。で、ヤギのモノマネだけするようになる。あのかわいいモノマネが話を前に進めるとは。
だんだんそのおじさんの存在を心から許し日常を共に過ごすようになってくると、そのおじさんの過去が明らかになり、同時に主人公自身についても語られる。
変なおじさん自身は劇中何も変わらない。変わらずとも周辺の人々の人生への要求を変える展開がよかった。
変なおじさんの奥さんはすべてを既に受け入れ、温かいまなざしで接している。そして主人公も自らの息子に対して、ありのままを受け入れることが出来るのであった。
宗教への信仰が厚い主人公は、宗教に縛られ続ける。それをうるせぇ!!と一蹴するシーンはターニングポイントで良いシーンなんだけど、隣の変なおじさんが可愛くて。観てもらいたいからなんでかわいいのか言わないけど、姿だけ見たら笑っちゃう。それに至るまでの決断も映画の一つの推進力だから大事なシーン。
「孤独のススメ」というタイトルは、「こうあるべき」を捨てて社会から外れて孤独になってもいいということなのかな。なんか合ってないタイトルな気がした。
変なおじさんを巡って、理想の人生や宗教観などの「こうあるべき」に対するカウンターをぶちかまし、本当の人生を歩むことが出来る。人間はその瞬間から自分のどんな人生も歩むことが出来る、そんなことを教えてくれる映画でした。
採点 71点
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