映画本来の面白さを味わいたくなって、傑作映画を久しぶりに鑑賞。
あらすじ
元刑事の賞金稼ぎジャックは、マフィアの金を横領して逃亡した会計士デュークの連行を依頼される。無事に捕らえたものの、二人はFBIやギャング、他の賞金稼ぎから追われる身に。さらに飛行機嫌いのデュークのせいで、ロサンゼルスまでの長い陸路移動を余儀なくされる。逃走と追跡を繰り返す旅の中で、対立していた二人の間に奇妙な信頼関係が芽生えていく。アクションとユーモアが融合したロードムービー。
感想
退屈な時間なんて1秒もない
久しぶりに名作中の名作を観ましたが、やっぱりすごい映画だわ。最初からずっっと面白い。開幕シーンのピッキングからエンドロールまで1本満足。
首題の逃亡劇が始まるまでに、「なぜ連行するのか」「ライバルとの関係」「依頼主の怪しさ」「主人公による捜査と確保」といった必要な要素を処理していくんだけど、ここがスムーズ。いろんなことがスムーズな手際でかっこいいのよ。
いいのよ、本題までは無抵抗で。早く面白いところ味わいたいんだから。本題の面白さへの補助力と掛ける時間のバランスが重要で、観客への配慮のある前戯じゃないとだらけちゃう。
おい!『プロジェクト・ヘイル・メアリー』よ!この姿勢を見習えよ!使った時間で生み出せる楽しみの最大値を叩きださないと!傑作映画は無駄な時間ないぞ~
バディ×ロードムービーの面白さすべて
バディものですが最初から相棒というわけではなく、主人公ジャックはただただお金稼ぎの案件としてが会計士のデュークを捕まえて、遠いロスまで連行する。ただ移送したいだけなので、乱暴にはっきりした上下関係で連れて行こうとする。でも悪人に振り切れていない感がにじみ出ている。
移送対象のデュークが、これまで関わってきたワルとは違う真人間だとだんだん気づいていき、なぜ横領事件を起こしたのか問いただす。そこで語られる理由は自分が警察を追われた過去と重なる。
同時にデュークも、主人公ジャックが同じサイドの人間だと気づいていく。移送中にいろいろひどいことをされているにも関わらず、ジャックの私生活での過ちを取り返そうと首を突っ込んでいく。まるで友人のように。
とはいえ置かれている立ち位置では正反対なので完全な友人にはなれない。それでも人間性で心を通わせていく。最後まで立場上はバディになることなんてありえないんだけど、人間として心だけが繋がっていく様子が素晴らしい。
イヤイヤ連行されている側だったはずのデュークが、美味しいものを食べるため攻守交替して、得意分野で詐欺をかますシーンが大好き。ここのロバートデニーロの下っ端感が素晴らしい。この逃避行で初めてデュークが逃避行のためにアクションを起こしたこの展開は、二人の上下関係が一瞬平等に見え、初めて友人になった瞬間に思えて感動。
その直後、逃げた貨物列車の中で行われる「こんな形じゃなく出会えたら・・・来世で会おう」という会話。この時の二人の素直な顔ったらもう。二人が心底言っているのが感じられて最高ですよ。しかも焚火を囲んで、背景も真っ暗で、ロードムービーの逃亡中なのに静の感動の作り方が上手すぎる。
立場の違いと描き方が完璧
本作はいろんな立場のキャラが、同じぐらいの割合で主人公たちの逃避行に絡んでくる。
主人公と賞金首。主人公に依頼した釈放金融。賞金首を抹殺したいギャングのボス。主人公のライバルの同業者。本件を追うFBI。数多くの人物が絡んでくるのに、描きかたが見事で全く混乱しない。
しかも全員が無駄のないプロフェッショナル。だからこそ、紆余曲折の逃避行に納得感がでる。特になぜ主人公たちの場所が分かるのか?ってところが緻密で、主人公も頑張ってるんだけどそれぞれのプロの仕事で居場所がばれちゃう。その対策でまた道をそれちゃって真っすぐロスに行けない。でもその選択肢が正しいと体感できるから良い映画です。
まとめ
いやーやっぱり最高でした。歴史に残る娯楽映画でしょう。何度見てもそう確信できる完成度。
観客のメンタルにも左右されない面白さを持っているので、未鑑賞の方は絶対どうぞ。
採点 92点



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