【ネタバレ感想】ビリーバーズ カルトとエッチが過ぎますぜ

オススメできる

あらすじ

無人島で「ニコニコ人生センター」という新興宗教の教えに従い、オペレーター、副議長、議長と呼び合う3人の信者が共同生活を送る。瞑想や夢の報告、テレパシー実験など日々のプログラムをこなして、安住の地を目指すはずだった。しかし、外部との断絶、禁欲の生活、食糧の不足などで心身の緊張が高まり、些細な欲望や嫉妬が浮き彫りに。教義の枠組みが崩れ始め、ときに暴力と逃避が混じる狂気の中で、彼らは自分たちの信じたものとどう向き合うかを問われる。

感想

3人だけでも退屈しない演出と脚本が見事

今作は男女3人、「オペレーター」「副議長」「議長」が無人島で教団の修行プログラムを行うという非常に限定されたキャストと舞台設定で進んでいく。しかしこの“最低限の材料”だけでここまで緊張感と引きを持たせるのは、相当難しい。画が変わらな過ぎて普通ダレちゃう。ただこの映画は全く飽きさせません。

まず引き込まれるのは、序盤の静かで怪しい日常の積み重ね。毎朝の瞑想、夢の報告、足裏と足裏を合わせて幸せな儀式。これらを淡々と見せつつも、気づくと妙な違和感が積もっている。例えば夢の内容や報告のしかた、修行の中での“浄化”と称した過酷な行動など。脚本は、3人のみで閉じた空間だとしても、それぞれの性格や欲望・恐怖が少しずつ見えてくるように設計されており、「この先、どうなるのか」を観客が常に期待しながら観られる作りになっている。

演出もうまくて、カメラのアングルや光、無人島の自然と静けさを使った対比が『限界状態での人間』を浮かび上がらせる。たとえば副議長が夢を話すシーンが、外の風景/波の音などで包まれて、それだけで妙な緊張が。そういう細かな“間”を見せることで、少ない登場人物でも“心の揺れ”を伝えることに成功している。

また、テンポの取り方も一定ではなく、静かなシーンの後に唐突に肌を晒す儀式や暴力・性的な絡みが入ることで、観ている側が油断できない。「3人だけでも退屈しない」大きな要因になっていた。ドラマとしての厚みを保ちつつ、エロティックな要素や異常性が“ただの刺激”ではなく物語の文脈に組み込まれているのも素晴らしい。

3人のシチュエーションで進んでいっている間は、本当に目が離せない予想できない。心のざわざわ感が凄い作品でした。

いつの間にか進んでいるカルト教団の怖さを絡めるのが上手すぎる

カルト宗教映画と言っても、“教団の怖さ”を前面に押し出すものは多いですが、今作は観客にその怖さをじわじわと感じさせる手腕が際立ってます。つまり最初は「なんか変だな」という違和感から始まり、それがやがて“恐怖”へと深化していく構造。

教団「ニコニコ人生センター」の“共同生活”“修行”“指令”という制度的縛りが、最初は理屈として受け入れられるような説明がされるが、やがてその制度が崩れ始める。食料が不安定になる、夢の内容がどんどん過激になる、夜の倉庫の箱のやり取りや謎の物質の存在など、不明なものが積み重なったり、議長の言動が極端になったりして、「やっぱりカルト教団ってやべぇわ」という一般論が観客にも浮かんでくる。

特に怖いのは、信者自身が“本当はおかしいかもしれない”という疑念を持ちながら、それを打ち消していく過程。副議長やオペレーターが“信仰”“教義”“浄化”という名のもとに自分の欲望・恐怖を押し殺し、あるいは正当化するシーンが何度もある。その中で議長の存在が“指導者という立場だから許される狂気”を体現し、人の善悪や理性が曖昧になる瞬間が見もの。

特に、性的に興奮したことを自ら懺悔した議長が、自らに課した刑罰が怖すぎる。射精&チンチン食いちぎってくれってねぇ。結局射精したいだけじゃんって言いたくなるんだけど、まぁシチュエーションと議長の演技が狂気的すぎて。そりゃあ射精も望んでるけど、チンチンを食いちぎられることも心底望んでいるように思える。そう思わせるってすごくないですか?

また、夢と現実の境界が曖昧になっていく描写も非常に上手。夢として語られる内容が後の現実の出来事とリンクしていたり、夢の中の怖さが覚醒後の罪悪感や恐怖に反響を与えたりする。この曖昧さが“信じること”のリスクを浮き彫りにしており、「教団=盲信」ではなく、「信じたい自分」と「信じたくない自分」のせめぎ合いを見せてくれるのがこの映画の深い怖さです。

えっちなシーンが多すぎて映画が進んでない

エッチなシーンがすっごい多いです。もうがっつりヌードが10回近く入ってます。しかも良い身体の。

前半は教団の“浄化”“夢の報告”“儀式”という理由付けで性や裸などの描写が出ている。ストーリー上必要というか、役割があるからあってもいい描写だと思う。

でも、ただ後半のエッチなシーンは、映画の展開が止まってしまっていて勿体ない。3人が修行を継続する中での“浄化”“禁欲”“裸になる”といった描写が重なると、「同じ描写がループしているのでは?」と感じるぐらい進んでない。

性行為シーンを減らして90分とか100分とかにしたら、もっと万人受けして、もっと評判になったんじゃないかなぁと。

このテイストがカルト映画になりうる特徴的な味なのはわかるけど、3人の演技も脚本も素晴らしすぎてもったいない。もっと広まっていい完成度なので、18歳以下も見れればいいのに。

まとめ

この映画すごいのに、卑猥度もぶっ飛びすぎて家族では見られません。私も妻と観ていたのですが、気まずかったです。

ぜひ皆さんこっそり観てみてください。結構傑作です。

採点 81点

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