神保町シアターに行きたいなぁと思ったら、「よみがえる田宮二郎2025」と称して、昭和の名優田宮二郎主演映画がやっておりました。正直どれもこれも知らないんですが、その中で時間が合った今作を見てみました。
初めて神保町シアターに行ったんですが、時間前なのに外にすっごい並んでて。
50人ぐらいいたかな?田宮二郎ってこんな人気なんだと思って、誘導係員に「田宮二郎の最後尾ってこちらですか?」と聞いたら、向かいのラーメン二郎 神保町店の列でした。
ホッとして中に入ったら、平日昼間とは思えないほど老人が待ってました。 こっちはこっちで田宮ジロリアンが30人ほどいました。
あらすじ
父を殺された青田新次(田宮二郎)は、台湾海峡の船上で無念の死を遂げたはずだった。だが5年後、四人の裏切り者が名士となったK市で、新次は変装や巧妙なトリックを駆使し復讐を始める。復讐の果てに彼が見つけるものとは――渋い昭和の香り漂う、大映アクションの一作。
感想
楽しませたいという気持ちは伝わる
田宮二郎主演、大映東京制作の娯楽映画。ってことは今で言う旬のイケメン俳優を使った、ただただ主演がカッコ良ければOK。その上で勧善退悪の分かりやすいストーリーに観客が乗れたら上出来ということ。
その点、今作は充分役割を果たしていると思います。普通に道中楽しんでました。映画内で何でもありすぎて、何が来てもおかしくない=まったく先が読めない ので、どう解決に導くんだろうっで見入っちゃった。
あらすじにも書いてあったからおそらく今作の特徴だろうけど、暗殺ターゲットに対する主人公のアプローチが独特すぎて変な味になってる。なんか主人公は変なことするんですよ。復讐の手法がシンプルじゃない。必要に応じて都度バレバレの変装を何パターンもやって、無事一度も見破られなかったです。ホッじゃないよ、無駄だよ。
ターゲットと1対1で話すために、わざわざ偽マジックショーを開催して、客席のターゲットをマジックに参加させて、マジック用の箱に一緒に入ってそこで話してました。
ステージ上だし、マジックはその箱の中身がすぐに入れ替わるやつだから全くゆっくり話せないし。全く合理性のない主人公。5年越しの復讐のために緻密な計画立ててたんじゃないんかい。結局ドタバタして聞きたいこと聞けません。この展開いる?いるんです。こういう変で不要な展開も、この映画の味として好意的に観れました。
もうちょっと後半盛り上げたら?
問題は、道中色々工夫して盛り上げたのに、クライマックスさっぱりすぎ。何のための味付けだぁ!! 散々こってりしてたコース料理だったのに、デザートだけ塩でどうぞじゃないよ。もうこってりの口になってるよ。
最後の最後は、真の黒幕を射殺すると同時に、主人公が唯一愛した人とのファクターも消化する展開。なのに余韻0.5秒でエピローグのギャグパート行っちゃう。早すぎでしょ。
場面切り替えもそうだけど、真の黒幕の射殺も早すぎっ。あっという間に終わっちゃう。黒幕に辿り着くまでに何人の下っぱを殺した? 加勢しようと螺旋階段から降りてくる4人の下っぱなんて、流れ作業でギャラガみたいに殺されてたよ。主人公はエイムを動かさずに4キルしてた。あんな銃撃戦経てようやく追い詰めたのに、クライマックス盛り上がらせてよ。
一言で言うと「着いてきた観客へのご褒美のない映画」でした。勿体無い。
田宮二郎って今でも通用するかっこよさ
初めて田宮二郎を意識して見ましたが、かっこいいですね。今も通じる爽やかイケメン。軽薄短小な感じが、当時の他の俳優とは違う感じだけど、だからこそ今も通じると思います。 そりゃああんなにお客さん入るわ。
まとめ
くだらない内容ではありましたが、娯楽させようという気持ちと田宮二郎の爽やかさで加点します。
採点 50点
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