2025年8月5日 早稲田松竹
あらすじ
2044年のパリではAIか世界を支配していて、AIが人間の職業を決めている。ただ、人間の感情を嫌がっていて、良い職に就くには感情を減らす治療を受けなくてはならない。主人公はその治療を渋々受けるが、その中で1910年と2014年の前世を追体験することになる。
感想
盛り上がらないなぁ
この映画は3つの時代を行き来して我々の140分が過ぎていく。1910年の貴族階級を舞台にしたラブストーリー、2014年の怖めうるさめの現代劇、2044年(劇中の現在)のAI管理下のディストピア劇。 この行き来の結果、大きな物語が進んでる感が薄い薄い。説明不足で、最終的に盛り上がりがない。
軸としては、主人公が現世で抱いている「彼女とその周りに破滅的な終局がもたらされる」という予感って何なのか探るってのがある。確かに過去の二つの時代では、それぞれ同じ男性と違うパターンで悲しい結末となる。
でも、あぁそっか、だから今それにビビってるのねってならないんだよね。その物語上の繋がりに観客を乗せてくれないんです。ぶつ切り感が強くて、そこのサービス精神がない。補助してくれず、突き放してきます。このかっこいい気取り方に着いてこれないやつはもう良いですと。もうお金は頂いたので自由に寝ていてくださいと。
原作が有名な小説らしい。多分映像化不可能?とか言ってたものを映画にしたんでしょ? だから小説を読んである程度知っている人が楽しめればいいと、雰囲気全振りで知能の低い観客を切り捨てて来たんでしょ? ということは、私がこの映画を楽しめないのは妥当です。ターゲッティングから外れてました。お金だけむしり取られました。
明確な良い点も3つあります。
久しぶりにしっかりつまんないこの映画ですが、明確な良い点が三つあります。
一つ目が主人公のレアセドゥがエロ過ぎる点。
ほんまにえっちぃ女性ですわ。顔と体が魅力的すぎます。私のタイプはエルファニングなので好みのは少し違うのですが、それでも全男性がぐっっとくる画が沢山ありました。 007でもそうですが、置かれた状況と戦う好戦的な強い女なのに、その魅力的すぎるフィジカルが隠し切れない。その立ち姿がもうね。それだけで加点です。
二つ目が、映画のエンドロールがQRコードになってました。
映画終わったなぁと思ったら画面にQRコードが大写しになり、クレジットが観たい方はこれでって。俺エンドロールの6分ぐらい大好きなのに。観終わった達成感と、内なる声に耳を傾けて評価を決めている大事な時間。それが失われるのは辛いけど、観たい人はこれでって選択肢を示して時短を心掛けているのは素晴らしい。この映画唯一のサービス精神だと思います。他の映画は別に見習わなくても良いです。
初めての経験だったので、急いでカバンからスマホを取り出して一応URLだけ取ってきました。映画館を出た後に押してみましたが、直リンクで動画に飛ばされて、ただただ映画館で流れるべきなエンドロールでした。期待した追加シーンもありましたが、フランス語で字幕無しだから全く分からへん。(劇中同様にPCが映って、あの占い師が何か言ってました。内容分かる人教えてください。)
三つ目は、2014年パートの男が非モテ毒に全身を犯されすぎてて最高。
1910年でも出会っているあのイケメンですが、2014年では大学デビューに失敗してやさぐれてしまったようで。最初はおしゃれしたり、デカい車を買ったり、分かりやすいスペック面で可能な限り他社に勝とうと頑張ってるんだけど、なんかズレていて勝てない。その結果、俺を相手にしない全女が悪いとキレ散らかす。分かるなぁその気持ち。手に取るように分かる。10割の共感ができる。
途中、一人で海を見て楽しんでたら、浜辺に1組のカップルがきて、羨ましすぎてぶち殺すぞと激高する。しかも自分の車の中で動画を回して一人でキレる。もうこのシーン大好き。 非モテウイルスに脳幹が蝕まれているので、絶世の美女レアセドゥからの優しいアプローチも拒否しちゃう。ここまで育てたアイデンティティが失われるから、女性に受け入れられる覚悟がない。最終的には悲劇的な結末を迎えます。そんな2部は結構良かった。2部の良さを単独消費しちゃって映画全体の面白さに昇華できてないのが、この映画のダメなところなんだけど。
まとめ
ひっさしぶりに駄作でした。映画を観ていてこんなに眠くなったのは珍しい。カテゴリを見たらミステリーとかそっちに分類されるようで、その気持ちをしっかりと携えていくのが大事です。訳の分からない雰囲気に140分間最終ラウンドまで食らいつくんだという気持ち。最後までスクリーンと戦う姿勢が必要です。
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