A24映画──それは「よくわからないけど、なぜか印象に残る」不思議な魅力を持つ作品群。
ハリウッドの王道とは一線を画す独特な世界観と、人間の感情を深く掘り下げるストーリーテリングが、世界中の映画ファンを虜にしてきました。
この記事では、そんなA24映画の中から、「まず1本観てみたい」という初心者に向けたおすすめ作品5選を紹介します。難解すぎず、でもしっかり“らしさ”が詰まった珠玉のラインナップです。
そもそもA24ってどんな映画スタジオ?
ハリウッドとは違う“もうひとつの感性”
A24(エー・トゥエンティフォー)は、2012年にアメリカ・ニューヨークで設立されたインディペンデント系映画スタジオです。メジャー資本に頼らない自由な制作姿勢と、芸術性を重視した作風で、一躍「通好みの映画スタジオ」として注目を集めました。
『ムーンライト』『ミッドサマー』『エブエブ』など、映画賞でも高く評価される作品を多数輩出しており、映像の“センス”に敏感な観客からは熱狂的な支持を受けています。
A24作品の特徴とは?
A24の映画には、以下のような共通点があります:
- 印象的な映像美と計算された間
- 心理や感情を掘り下げる静かなドラマ
- 型にはまらないストーリー展開とジャンル横断
- 主人公が“説明しない”余白のある表現
「わかりやすい」より「味わい深い」。A24は、映画を“体験”として楽しみたい人にとって、まさに宝庫です。
初心者におすすめのA24映画5選
A24映画の中でも、「初めてでも楽しみやすい」「共感しやすい」「“らしさ”がちゃんとある」5本を厳選しました。
1. ミッドサマー(Midsommar)

太陽が沈まない北欧の村で繰り広げられる、祝祭と狂気のホラー。
昼間の明るい風景で進行する恐怖という異色の演出で、観る者に強烈なインパクトを残します。
明るいのに怖い。祝祭なのに逃げられない。
美しさと残酷さが表裏一体になった、まさに“映像体験”そのもの。
2. エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

ジャンル崩壊級のマルチバースSFコメディ。
バカバカしいほど自由な発想と、最後には涙を誘う家族愛が同居する唯一無二の作品です。
指がソーセージ?岩が喋る?なのに泣ける!?
2023年アカデミー賞を席巻した、混沌の中にある人間の核心。
3. ムーンライト(Moonlight)

黒人少年が成長する過程で、自分のアイデンティティや愛を探す物語。
光と静けさ、言葉にならない感情を丁寧にすくい上げた珠玉のドラマです。
静かで繊細、それでいて強い。
観るたびに心の奥がそっと揺れる、優しさに満ちた映画。
4. レディ・バード(Lady Bird)

10代の少女が、自分の夢と母親との関係に葛藤しながら成長していく物語。
日常の中にある“イタさ”と“美しさ”がリアルすぎて刺さります。
思春期のあの気持ちを、こんなにも正確に描けるなんて。
自分の10代と重ねながら、ちょっとだけ泣ける青春映画。
5. ヘレディタリー/継承(Hereditary)

家族の中に潜む恐怖が、じわじわと日常を侵食していく心理ホラー。
静かな演出と突き刺さる音響で、観終わった後もしばらく引きずります。
叫び出したくても叫べない恐怖。
本当の“怖さ”とは何かを問いかけてくる、A24ホラーの金字塔。
気分別!最初の1本はどれにする?
初心者にとって、最初の1本選びは重要です。以下のチャートを参考にしてみてください。
あなたの気分は? | ぴったりのA24映画 | 理由 |
---|---|---|
明るく、共感したい | レディ・バード | 日常の小さな葛藤が描かれ共感しやすい |
静かに深く感動したい | ムーンライト | 美しく繊細な感情描写が印象的 |
ホラーに挑戦したい | ミッドサマー/ヘレディタリー | 違和感と恐怖が独特な演出で描かれる |
カオスが好き・刺激が欲しい | エブエブ | 一見バカバカしいが涙が止まらない名作 |
まとめ|“わかる”より“感じる”映画体験を
A24作品の魅力は、ストーリーの明快さよりも「余韻」や「違和感」にあります。
モヤっとする感情、圧倒的な映像体験、言葉にできない共鳴──それがA24が放つ“魔力”です。
まずは気になった一本から、あなた自身のA24体験をはじめてみてください。
観終わったあと、きっと誰かに語りたくなるはずです。
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